農家さんの痛み

当院には、農業に従事されている方もたくさん来院されています。お茶農家さん・いちご農家さん・メロン農家さん・トマト農家さんなどいろいろです。痛みの箇所は腰が一番多くて、あとは膝・股関節・肩・足・腕など本当に全身に及びます。最近は機械の進化により昔ほど腰が曲がったおばあちゃんを見かけなくなってきましたが、「だんだん腰が伸びなくなってきた」とか「姿勢が丸くなったねと言われるようになった」とおっしゃる農家の方が結構います。

農家さんが体を壊す原因は、まず前屈みの姿勢が長いことや小さなイスに座って長時間作業をすることが考えられます。お茶農家さんは、お茶を何十キロも運ぶことも多いです。そしてお茶畑の傾斜がある所で作業してアンバランスな姿勢が長く続くので負担が大きいです。

ですので本来なら人一倍体に気をつかわないといけないのですが、周りが同じ農業関係者ばかりなので会話になれば口をそろえて「年だから腰が痛いのは当たり前」とか「農家はみんな我慢してやっているんだからしょうがない」「近所のあの人もこの人もシップでごまかしているから」となぐさめあって我慢して頑張ってしまうんですね。自営で農業を営んでいる方はたくさんいらっしゃいますが、近所で健康に気をつかっている人が一人でもいれば周りの人ももっと自分の体のことを真剣に考えるようになると思います。痛みのある人ばかりが周りに多いとそれが普通だと思ってしまうので怖いんですね。

何歳まで現役で働きたいのか?頑張った分だけ自分自身の体をメンテナンスしていけば好きな仕事も長く続けられます。痛いのは普通ではないんですよ。将来の自分の姿を思い浮かべてみてください。自分の体は自分で守りましょう!